インゴットは、シリコンウェハーやSiCウェハーの製造において基盤となる素材です。高純度のシリコンやシリコンカーバイドを加工して作られる、円柱状または角柱状の固体素材を指します。
インゴットの役割
インゴットはウェハーを切り出す元となる素材であり、その品質が最終的なウェハーの性能を大きく左右します。結晶構造や純度が製品の特性に直接影響を与えるため、高度な技術が求められます。
インゴットの製造プロセス
インゴットは以下のプロセスを経て製造されます:
- 単結晶成長
単結晶インゴットは、チョクラルスキー(CZ)法やフローティングゾーン(FZ)法を使用して成長させます。これにより、均一な結晶構造が得られます。 - 多結晶成長
太陽電池用途などでは、多結晶インゴットが使用されます。キャスト法で製造されることが一般的です。 - 冷却と加工
成長後のインゴットはゆっくりと冷却され、所定の形状に加工されます。
インゴットの種類
- 単結晶インゴット
高い純度と均一な結晶構造を持ち、半導体デバイスの製造に使用されます。 - 多結晶インゴット
コストパフォーマンスに優れ、太陽電池や低コストデバイスに適しています。
インゴットの品質評価
インゴットの品質は以下の点で評価されます:
- 結晶欠陥の有無
ディスロケーションや微小欠陥がないことが重要です。 - 純度
金属不純物や酸素濃度の制御が必要です。 - 結晶方位
デバイスに応じて適切な方位(例:〈100〉や〈111〉)が選ばれます。