インゴットは、シリコンウェハーやSiCウェハーの製造において基盤となる素材です。高純度のシリコンやシリコンカーバイドを加工して作られる、円柱状または角柱状の固体素材を指します。

インゴットの役割

インゴットはウェハーを切り出す元となる素材であり、その品質が最終的なウェハーの性能を大きく左右します。結晶構造や純度が製品の特性に直接影響を与えるため、高度な技術が求められます。

インゴットの製造プロセス

インゴットは以下のプロセスを経て製造されます:

  1. 単結晶成長
    単結晶インゴットは、チョクラルスキー(CZ)法やフローティングゾーン(FZ)法を使用して成長させます。これにより、均一な結晶構造が得られます。
  2. 多結晶成長
    太陽電池用途などでは、多結晶インゴットが使用されます。キャスト法で製造されることが一般的です。
  3. 冷却と加工
    成長後のインゴットはゆっくりと冷却され、所定の形状に加工されます。

インゴットの種類

  • 単結晶インゴット
    高い純度と均一な結晶構造を持ち、半導体デバイスの製造に使用されます。
  • 多結晶インゴット
    コストパフォーマンスに優れ、太陽電池や低コストデバイスに適しています。

インゴットの品質評価

インゴットの品質は以下の点で評価されます:

  • 結晶欠陥の有無
    ディスロケーションや微小欠陥がないことが重要です。
  • 純度
    金属不純物や酸素濃度の制御が必要です。
  • 結晶方位
    デバイスに応じて適切な方位(例:〈100〉や〈111〉)が選ばれます。