ガラス基板とは、板状のガラス製品のうち、電子機器の基盤を構成する部品として使われるもののことです。ガラス繊維にエポキシ樹脂を混ぜ合わせて造っており、「ガラスエポキシ基盤」「ガラエポ基盤」などと呼ばれることもあります。材質が硬く、周囲の温度変化に合わせて伸縮しにくいのが特徴です。基盤として使用するガラスは厚さが非常に薄く、高い耐久性が必要なため、製造には高度な技術が求められます。ガラス基板の主な用途は、ディスプレイ用基板、超薄板ガラス基板、基板用電子材料などです。

ガラス基板を製造する際は、初めに溶解炉で材料を溶かし、ドロドロになったガラス融液の泡を取り除いたり、撹拌したりします。続いてガラス融液を板状の型に流し込んで冷却し、ガラス板を規定のサイズに切断。切断面を放置していると衝撃への耐久性が低下するため、一度研磨します。切断面の研磨が終わると、ガラス板の表面を洗浄し、最後に検査をして完成です。

先ほど紹介したガラス基板の製造法はほんの一例で、実際はガラスの種類によってさまざまな造り方を用います。一般的なガラスの種類は、ソーダライムガラス、無アクリルガラス、ホウケイ酸ガラスの3種類です。

ソーダライムガラスとは、炭酸ナトリウムを原料としているガラスのこと。古くから窓ガラスや食器の製造にも使用されており、最も生産量が多いガラスです。比較的安価に生産できるため、ガラス基板としても早い時期から活用されてきました。ソーダライムガラスの主な製造法は、フロート法です。フロート法では、融解したガラスを、融解した錫の上に流し入れ、比重差を利用してガラス板を製造します。

無アクリルガラスとは、ナトリウムやカリウムといったアルカリ成分を含まないガラスのこと。厚さが薄い加工ができ、半導体の部品としても使われています。熱膨張率の低さや、平滑性の高さも備えており、耐久性が求められる部分の材料に適しているのが特徴です。無アクリルガラスの製造には、フュージョン法がよく用いられています。フュージョン法では融解したガラスを専用の容器から溢れさせ、下方向に流しながら冷却する方法です。

ホウケイ酸ガラスは、熱膨張率が低く、引っ張りや曲げに強いのが特徴。一般的には、耐熱容器や自動車のヘッドライトとして使われています。近年では、様々な加工を施して基板用として用いられることも。ホウケイ酸ガラスの製造では、主にダウンロード法や、ソーダライムガラスと同様のフロート法を使用します。