スライシングとは、インゴットを薄いディスク状のウェハーに切断する工程を指します。このプロセスは、ウェハーの厚みと平坦性を精密に制御するために不可欠です。
スライシングの概要
スライシングとは、インゴットからウェハーを切り出す初期工程であり、ウェハーの厚みや均一性を決定する重要な作業です。この工程は、ウェハーの物理的特性を整える基盤となります。
スライシングの役割
スライシング工程は、インゴットをデバイス製造に適した形状に加工する最初のステップです。正確なスライシングにより、次の工程での加工効率や歩留まりが向上します。
スライシング工程の詳細
スライシングでは、以下の手順が行われます:
- インゴットを切断機にセット
- ダイヤモンドワイヤーを使用して薄いウェハーに切断
- 切断後のウェハーを清浄化して次工程に送る
スライシングに使用される装置
スライシングには主に以下の装置が用いられます:
- ダイヤモンドワイヤーソー
高精度で薄くスライス可能。 - マルチワイヤーソー
高速で複数枚のウェハーを同時に加工。
スライシングの課題と技術的進歩
- 課題
ウェハーの破損、材料の無駄、加工中の熱による変形など。 - 技術進歩
ワイヤー素材の改良や冷却技術の向上で高精度化が進行。
スライシングの精度管理
スライシングの精度は、ウェハーの厚み偏差や平坦度(TTV)に影響します。リアルタイムのモニタリングや自動化技術が導入されています。
スライシング後の処理
スライシング後、ウェハーは以下の処理を受けます:
- 表面の微細欠陥を除去するラッピング
- 光学的平滑性を高めるポリッシング
スライシングと環境負荷
スライシングには多量のスラリー(切削液)やエネルギーが必要です。リサイクル技術や低消費エネルギー装置の導入が進んでいます。
スライシングの用途別違い
- 半導体デバイス用
厚みの均一性が重要。 - 太陽電池用
材料コスト削減が優先される。
将来のスライシング技術
非接触レーザーカットや新しいワイヤー素材を使用することで、より高効率で環境負荷の低い技術が開発されています。