ダイオードとは、電気の流れが一方通行になるようにする部品のことです。主に、P型半導体とN型半導体を接合したものを指します。P型半導体とN型半導体を接合したダイオードは、P型半導体に+の電圧、N型半導体に-の電圧を加えた「順バイアス」のときのみ電流が流れます。

電気の流れを一方通行にする以外にも、ダイオードには電圧を一定にしたり、ラジオのような無線信号から音声信号を取り出す「検波」をしたりすることも可能。トランジスタやICと同様の能動部品でもあり、電気製品の製造には欠かせない存在です。ダイオードの用途は、身近なものだとLEDが挙げられます。

先ほども少し述べましたが、ダイオードはP型半導体とN型半導体を接合したものです。P型半導体は+の性質、N型半導体は-の性質を持っています。もしP型半導体に電池の-極、N型半導体に電池の+極を繋げると、P型半導体の+は電池の-極に、N型半導体の-は電池の+極に引き寄せられ、P型半導体とN型半導体の間には電気が存在しない空間が広がってしまいます。電気が存在しないと、電流を流すことはできません。

そこで、P型半導体に電池の+極、N型半導体に電池の-極を繋げると、P型・N型半導体の電気が間でお互いを打ち消し合い、電池から新しい電気が入るようになります。新しい電気が入ると電流が流れる(順バイアス)ようになり、電気製品を駆動させられるのが、ダイオードの構造です。

ダイオードの役割は、清流作用・検波・電圧制御・電流変換の大きく4つに分けられます。清流作用は、途中で説明した順バイアスのときに電流を流す、ダイオードの構造のこと。検波は冒頭で紹介した、ラジオ等の電波から音声信号を取り出す働きのことです。

電圧制御は、ダイオードの降伏現象を利用したものを指します。基本的には一定方向の電流しか流さないダイオードですが、逆方向の電圧が基準値を超えると、大きな電流が発生します。このとき電流の量は増えても電圧は変わらない性質を「降伏現象」と呼び、ダイオードに電圧制御の性能をもたらすのです。

ダイオードの電流変換の役割は、太陽電池や赤外線リモコンの受光部などに使われます。ダイオードのなかには、光を電流に変える働きをするものもあります。PN接合部に光が当たると、接合部近くにある電子が動き、電流が流れるようになるのです。外部から電圧を加えていないときは電池、電圧を加えるとダイオードとして機能するようになります。