CPUとは、パソコンやスマホにおいて頭脳のような役割を担っているパーツのことです。英語の「Central Processing Unit」を略した言葉で、日本語だと「中央処理装置」や「中央演算処理装置」と呼ばれています。コンピューター内に組み込まれている他の装置・回路の制御や、データの演算を行う機能を持っているのが特徴です。型番はアルファベットと数字で構成されており、数字が大きいほど性能が高い傾向にあります。アルファベットの部分には、メーカー名を示す言葉が含まれています。

CPUの内部の構造を細かく見ていくと、制御装置や演算装置、データを一時的に記憶するレジスタのような記憶装置、周辺機器との入出力装置とのインターフェイスなどから構成されています。ほかにも機種やオプションによっては、レジスタより多くのデータを記憶できるキャッシュメモリや、タイマーなどを搭載しているものも。多くのCPUでは、制御装置が命令の解釈とプログラムの流れの制御を行い、演算装置が演算を実行します。なかには複数の命令を同時に処理できるよう、複数の実行部を同じICの中に搭載したものもあり、CPUの構造はとても個性豊かです。

CPUが作動する際は、フェッチ、デコード、実行の3つのステップがほぼ必ず存在します。フェッチは、実行する命令をメモリから取り出すステップです。メモリ上で実行する命令の位置は、プログラムカウンタで指定されます。デコードは、メモリから取り出した命令をCPUにとって意味のある形に分割するステップです。命令は「命令コード」と「オペランド」に分かれ、命令コードでは実行する処理、オペランドでは命令で使用する情報を指定します。そして、最後の実行というステップでCPUの色々な部分が接続されることで、フェッチとデコードで指定された指示を実行できるのです。

CPUに該当する装置が現れたのが、1940年代から1950年代にかけて。プログラム内蔵方式のコンピューターが登場した時期だと考えられています。1950年代・1960年代以降はコンピューターの小型化が進み、構造も演算装置・制御装置・記憶装置・入力装置・出力装置の5つに分類され、現在の形に近づいていきました。

50年前と現在で異なるのは、半導体素子の登場により急速に処理の高速化が進んだことと、それぞれの部品がかなり微小化されたことです。そして演算装置と制御装置は、ひとつの半導体群を形成。周辺機器の制御、データの演算と加工、メモリへの記憶や出力など、CPUはコンピューターの心臓部としての役割を担うようになりました。