HDMIとは、映像・音声・電子信号などを1本のケーブルにまとめて送信できるインターフェース規格のことです。英語の「High-Definition Multimedia Interface」の頭文字を組み合わせた言葉で、日本語だと「高精細度マルチメディアインターフェース」と訳すことができます。2002年12月に、初代HDMIの「HDMI1.0」がリリースされました。

HDMIはテレビ・ゲーム機・Blu-rayなどを繋ぎ、映像データや音声データを送信するために使われます。完全なデジタル伝送であるため、理論上は伝送過程のなかで映像や音声といった情報が変わらないのが特徴です。HDMIが登場する前は「RCAピンケーブル」という、複数の端子が束になったようなケーブルが使われていました。2002年12月にHDMIが登場したことにより、両端1つずつの端子で機器同士の接続ができるようになったため、複雑になりがちなAV機器同士の操作がよりシンプルになりました。

2002年12月に初代HDMIである「HDMI1.0」がリリースされた以降も、何度かバージョンアップが実施されました。HDMI1.0に続くHDMI1.1には、DVDオーディオのサポート機能が搭載されました。その後もHDMI1.2、HDMI1.2a、HDMI1.3と、続々と新バージョンが登場し、2013年9月にはHDMI2.0も発表。HDMI2.0からは、4Kにも対応するようになりました。HDMIの新しいバージョンは以前のバージョンとの互換性があり、新しいHDMIケーブルを、古い規格のHDMIポートを搭載している機器に接続することが可能です。

HDMIケーブルの買換えに合わせて他の機器も買い換える手間を省ける一方、ケーブルとポートの接続が悪く、相性問題が発生することがあるのが難点。HDMIケーブルにはバージョンが記載されていないものもあるため、相性問題の原因がバージョン違いかどうかを判断するのが難しいのがデメリットです。また新しいバージョンには以前のバージョンとの互換性がありますが、中継機器によっては送信できる信号に制約がかかることも。長距離伝送を行うと映像の途切れや点滅が発生するケースもあり、条件に応じて使用する機器を切り替えたり伝送機器を導入したりすることが求められます。

近年はケーブル状ではなく、無線でAV機器同士を接続できる「ワイヤレスHDMI」も登場しています。有線のHDMIと同様、映像・音声をはじめとした各種データを送信することが可能です。ケーブルを使わないぶん持ち運びが便利で、接続もより手軽にできるようになりました。著作権保護にも対応しており、一般的には約10mまで電波が届くとされています。Wi-Fiを使用するか否かで圧縮や遅延が異なり、Wi-Fiを使わない方が無圧縮で遅延が少ない傾向にあります。